舌が短いと言われました?どういう事??

お母さん
検診で舌のスジが短いねーって言われました…昔から舌っ足らずの話し方もしてますし心配です…
パパ先生
舌のスジ(舌小帯)が短いんですね。発音はどうですか??今回は舌のスジ(舌小帯)について説明しますね…

舌小帯とは?

舌の裏側についているスジのことをいいます。
このスジの長さが短いと、舌が動きが制限され様々な問題がでます。

舌小帯が短いとは?

お母さんでも判断する一番簡単な方法は「あっかんべー」させる事です。

すると下の写真のように舌の先がハートになります!これが舌が短い!という明らかな証拠になります。

通常はハートにはなりません!

ハート舌

このように先端が尖るのが正常な形です。

頻度としては、約4〜10%程度(論文によって異なる)です。

舌小帯が短いとどんな問題があるの?

以下のような問題がります

・発音障害
・摂食障害

などの問題がでます。

発音障害

「発音が気になる!サカナ→タカナになります!」

と保護者から訴えがある場合はやはり舌小帯が短い事が多いです。

舌小帯が短くて問題がでる音は「ラ行、サ行、タ行」が多いです。この発音がきになったら舌小帯が短いのを疑ってください。

※発音の診断には言語聴覚士での確認が必要となります

摂食障害

舌の動きが悪いため、4〜5歳で食片をこぼすといった摂食機能障害がある場合、摂食の程度をみて、切除の必要性を判断します。

うまくおっぱいが飲めない!!哺乳障害は舌小帯が原因!などネットでは見られますが、学会の公式見解としては↓となります。

舌小帯短縮症と哺乳障害の関係を調べた報告によれば、いずれも統計的な関連性を示す結果にはなっておらず、舌小帯短縮症が哺乳障害の主たる原因になるとは考えられていない。したがって、この時期に遭遇する舌小帯短縮症は哺乳障害とは関係がなく、手術を行う必要はない。

小児科と小児歯科の保健検討委員会

舌小帯切除のやり方は?

・メス・ハサミによる切除
・レーザーによる切除

が主流となります。

一番重要な事は切除後です!

MFTと言われる舌の筋トレがとても大事です!!

いくら切っても舌の筋トレがしっかりできていないとまた元に戻ってしまいます…

舌小帯の切除後はしっかりとMFT(舌の筋トレ)をしてください

再発がかなり高いのが問題点です…

また、発音が気になるなら切ってだけでは発音がうまくならない事があります。
その際は、歯科医師ではなく、言語聴覚士にて言葉専門による訓練が必要となります。

※実際のやり方です!出血に弱い方は絶対に見ないでください!!

舌小帯の切除時期は?

切除時期は様々な考え方がありますが、一般的には発音が完成する5歳を目安に切除します!

保護者からは気になるので、早く切除して!という要望がありますが…

年齢が低いと

・舌小帯の切除で大暴れ!!
・MFT(舌の筋トレ)が出来ない…
・言語訓練が出来ない…

などの問題があります。下の論文の抜粋を見てもらえばわかりますが…

舌小帯短縮症は生後4か月頃までは乳児の1/3に認められ,9~12か月では10%,3歳では7%までに減少する.舌小帯短縮症は自然回復傾向があり,多少の付着異常は発育に伴い改善し,舌小帯は乳歯列完成期までに平均的位置に自然治癒する場合が多いことも示唆されている.したがって,新生児期に舌尖部に付着していた舌小帯は舌の発育にともなって,4歳頃まで付着位置が移動していくことを十分考慮して評価する必要がある.

 小帯切除術 一特に舌小帯と上唇小帯について一 金子忠良ら

なので、授乳障害がなけば早期に切除する必要はありませんよ。

それよりも切除が暴れないで可能で、訓練がしっかりとできる年齢まで待った方がいいです!

舌小帯の切除後は痛いの?

人によりますが痛いです…

一週間ほどは舌を動かしにくくなるので、食事や会話に支障が出ることがあります。2〜3日は不機嫌ですね…

トレーニングも3〜4日目から開始して痛いのに動かさなければいけないので余計不機嫌になります。

でもしっかりとMFT(舌の筋トレ)をしないと元に戻るので頑張ってやりましょう!!

どんな歯医者さんにかかればいいの?

基本的には小児歯科専門医に相談するのが一番いいです。
小児歯科専門医の詳しい情報については下の記事を参考にしてください↓

また、お話にトラブルがある場合には言語聴覚士が合わせて対応する必要があるので歯科大学病院などの大きな病院がいいかもしれません。

※病院選びで注意が必要なのは…
あまり知識がない先生だとはさみでちょこっと切って、訓練せず様子みてねーで終わるケースもあるんので、注意が必要です…

訓練がキモなんです!切除は誰でもできますから!!

そんなに簡単なら苦労しませんよ…

まとめ
舌小帯が短いと診断されたら、発音が完成する4から5歳までは経過観察でOKです。言葉の問題がある場合は言語聴覚士がいるような施設でみてもらってくださいね!